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ベートーヴェンの荘厳ミサ曲名盤探訪⑤ガーディナーの再録音 [ベートーヴェン:ミサ・ソレムニス]

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ジョン・エリオット・ガーディナーが主兵のレヴォリューショネル・ロマンティークと再録音を果たした。

イギリスロンドンのバービカン・ホールでのライヴ。

バービカン・ホールと言えば、ハイティンクのベートーヴェン、ゲルギエフのマーラーなどで耳にした独特の音響を持つ。

このCDに聴く響きは、しかしながら、大変優秀である。

よほど耳のよいスタッフが録音に携わったのであろう。オーケストラ・独唱・合唱と破たんなく収録され、非常に生々しく、クリアである。

録音が良くても、演奏がいまいちならばこのシリーズには取り上げない。

演奏の面で言えば、現在、クレンペラー、ワルター、ブロムシュテットが自分の中での3傑だが、このガーディナーはワルターに匹敵するかもしれない。

要するに、超名演。

たとえば、「グローリア」のアーメンフーガ以降からクライマックスを聴けばお分かりいただけると思うが、これだけのダイナミクスと豪放な盛り上げ方はワルターのライヴ以来ではないだろうか。まさしく、天国の大門が現出したような、と言うと変なレトリックかもしれないが、ちょっと人間業とは思えないものがある。

もちろん、古楽器のスペシャリストであるガーディナーが過度なドラマを演出するわけではない。しかしながら、旧盤では、ただ「古楽器で演奏してみました」という印象を受けていた生煮え感が全くなくなり、「これが答えだ!」と言わんばかりの真剣勝負の「ドラマ」、つまり唯一無二の説得力を獲得しているのである。

「ドナ・ノービス・パーチェム」も素晴らしい。

私が大好きな戦争ラッパの部分も阿鼻叫喚そのものだし、これだけ激しい演奏はワルターやバーンスタイン以来である。

クレンペラーはむしろここで聴く者を突き放すような、一種独特の緊張感を設けるのだが、ガーディナーはワルターのように暴れ狂い、絶叫し、神の憐みを乞うのである!

うーん、すごい。

もちろん、「クレド」も名演だが、「グローリア」の圧倒的な演奏の後では少し聴き劣りする。それに、キリストが蘇った後の「最後の審判」のトランペットのあたりもアッサリしすぎなように思う。

ここはやはり、クレンペラーしかない。この金管の鋭さ、怖ろしさは・・・。

いずれにせよ、現代の指揮者でこれだけの演奏が可能になるとは、そして古楽器指揮者にできるとは、予想だにしなかった。ヘレヴェッヘの旧盤・新盤や、アーノンクールもお呼びではない。いわんや、ジンマンをや。

ブリュッヘンがやるとどうなるか?というのは興味があるし、youtubeで耳にする限り、ティーレマン/ドレスデンも良い。盛大なミスもあるが(戦争ラッパの後)。 

年末に素晴らしいプレゼントをもらった気分だ。SACDシングルレイヤーで聴いてみたい。

ベートーヴェンの交響曲全集。このスタッフで、ライヴで録音し直してはいかがだろう??

ガーディナー。現代の最高の指揮者になってしまった(私の中で)。 

評価:★★★★★

 


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